2:「VICE VERSA」楽曲解説 |
遅くなりましたが、アルバム「VICE VERSA」も皆に浸透して来た頃でもあり、楽曲解説&こぼれ話等書いて行きます。長いですよー。今回は結構、過去曲からの続編曲が多いですネ。では行ってみよう。
------------------------------------------------------------------
1.VICE VERSA~光纏いし者達~
「THE ADVENT MELODY」、「GRACE GRADE~翼を持つ者達~」に続くリーダートラック。これぞSKYWINGS、これぞI-LA節炸裂の一撃必殺曲。
度々今迄のツイなんかでもボソっと言ってたと思うんだけど、自分にとって「GRACE GRADE~翼を持つ者達~」を超える事、もしくはそれと並ぶ同型曲を創る事が試練でもありました。正直「GRACE GRADE~翼を持つ者達~」を完成させた時は「これを果たして超えれるのか」と本当に悩んだ位。
書き始めた時に何も考えずバーっと思うがままに譜面を書き殴って書き殴って書き殴って、その結果良い形で生まれて来てくれました。副題の絡みからして「GRACE GRADE~翼を持つ者達~」と対を成す世界観ですが、曲そのものは「THE ADVENT MELODY」と「GRACE GRADE~翼を持つ者達~」を足して混ぜた感じになったんじゃないかなと。
何も考えず身を委ねてこの曲が持つメロディの洪水に溺れてみて下さい。
タイトルトラック曲達はSKY ANTHEM曲達と歌詞の世界観で表と裏の表現をしていて、その辺の時系列とかも何時かは図式にして説明したいのですよ。
この曲はアルバム「VICE VERSA」を創るに当たって最後に出来上がった曲で(最初に上がった曲は「UNITE FOERVER」)、最後にならざるを得なかった曲でもあります。アレンジの点でかなり時間が掛かったので。ギターソロ前後が良い感じ♪
時間が掛かった理由が実はもう一つあって・・・・。途中で曲が2つに分かれたんですよ。
2つに分かれたり色んな方向に行っちゃうのは今迄にも良くあったんですが、今回はかなり違う分かれ方をしてしまって・・・。ちょっとホラーっぽい表現をすれば「意志を持って分かれた」感じです。で、収集が付かなくなって取り敢えず分かれた片方を仕上げたのが「VICE VERSA~光纏いし者達~」です。そしてまだ仕上げておらずその完成を「待機している」曲は多分来年発表出来るかな・・・と。
でもまあ、無事「VICE VERSA~光纏いし者達~」と言う楽曲を世に出せてホッとしてます。
「SKYWINGSのタイトルトラックは超絶攻めて来る曲」ですので、これからも楽しみして欲しいですね。
ヴォーカリストデビュー作一発目がこの曲ってハードル高過ぎませんかね・・・まあ、良いっか。気合い入れて歌いますよ。プロデューサーのI-LAが「ここはもっとこうだ」と指導していてそれを「ああ、そんなヒドい事を言うなんて」と受け入れて歌っている「1人SM成立」っていうね・・・・。この曲歌う時、歌い始めと終わりで立ってる場所が違うの。必死過ぎて動き回ってて、そのうちスタジオから飛び出すんじゃないかと思うw
--------------------------------------------------------------------
2.UNITE FOREVER~SKY ANTHEM Pt.4~
「ANGELS SKY」、「FREESIA」、「BRIGHTNESS」に続く、SKY ANTHEM曲。
お待たせしました、って感じですかね。徹頭徹尾SKYWINGS、徹頭徹尾I-LAメロディ。
最高のメロスピソングです。
結成当初から「THE ADVENT MELODY」発売以前迄、ライヴでのみ「TIMESAVER」と言う曲を演奏していました。実はその曲を思いっきり創り直したのが「UNITE FOREVER」です。「TIMESAVER」を知ってる人はもう殆ど居ないかも(笑)。
サビとギターソロは当時のままで、それ以外を完全再構築しました。最後キーが上がる定番も半音じゃなく全音上げにしました。
SKY ANTHEMと言う世界感を完全統一出来ましたね。
「ANGELS SKY」と「FREESIA」を正式にCD発表して欲しいと言う意見が凄い多いのは知っているので、まあ待っていて下さい。
そして、この先の未来に発表される新たなるSKY ANTHEM曲「AFTER TEARS~SKY ANTHEM Pt.0~」の完成を待っていて欲しいです。歌メロはある程度出来てますよ☆
------------------------------------------------------------------
3.I FASCINATE
MVで先行発表した曲です。アルバムの中で一番ポップなメロディでそれでいてメロスピらしいスピード感が良い感じで混ざり合った楽曲になったと思っていたからMVに選んだんだけど、これが思いの他賛否両論を巻き起こす結果となりました(苦笑)。
サビは今迄に無く、それでいてやりたかった符割りをようやく完成出来た。
「I FASCINATE!」の部分は3和音2オクターブの27トラック大合唱で、どれもがメインメロディ。つまり3和音で無いと成り立たないメロディになっています。と言っても旋律と旋律と旋律の間柄が3回3度2度4度と入れ替わっている事もあり、中々説明出来ないのですが(苦笑)。
今回TAKASHIとSENOHにもコーラス参加して貰ってて、俺にとっても彼等にとっても初めての「歌レコーディング」となりました。細かく聞くとかなり「あ、こうなってるんだ」って思う所が多い曲だと思います、聞く度に毒素を増す曲になっています。
「IN BLOOM」タイプの曲だけど結果全然違うモノに。この手の曲もまだまだ待機してますよ。
歌詞は「マイノリティ」と言う立場にある人物達の愛の逃避行。あらゆる偏見、迫害、虐げ、差別を経験している立場にある人達には自ずと響く歌詞だと思う。事実、俺もその立場だけどそれを不幸に思った事は無い。だからこそ見える角度の世界と経験が凄い面白いから。
ライヴではサビのタイトル箇所で叫んで欲しいなー。
------------------------------------------------------------------
4.SIGHT OF RUBY
1st収録の「EYES OF SAPPHIRE」の続編曲。歌詞が先に出来て曲が産まれた稀な曲。
どうしても「EYES OF SAPPHIRE」の続きの歌詞が書きたくて。去年の4月に自分のtwitterで「歌詞が先に生まれて云々」って言うツイをしたんだけど、それがこの曲です。TAKASHIが出して来た時の歌メロが全部8分音符で繋がってて「何処で切るの?」と聞いたら「好きな所で切ってくれて良いよ」と言われたけどそれが死ぬ程大変な作業だったんだけどw
結果、「これ迄」と「これから」が入り乱れた歌詞になったかなと。蒼=悲哀、赤=情熱で同じ世界観を異なる見方で書きました。
川を流れる流木の様に、たまに立ち止まる感じもありつつ華麗に途切れなく泳ぐメロディがこの曲の一番のポイントと思います。
歌は息継ぎ無いですw
ストレートにカッコいいロックナンバー、ギターソロも弾きまくってるしね。
サビの「SIGHT OF RUBY Face my~」の下りは3和音2オクターブの27トラック大合唱。ここはライヴの時に叫んで欲しい!
最後のコーダメロディ(「視界の蒼穹は邂逅〜」)のバッキングで「EYES OF SAPPHIRE」のイントロ部分が混じってます。「へー」って思うでしょ(笑)?
サファイア、ルビーと来ました宝石ソングシリーズ、まだ続きます。
------------------------------------------------------------------
5.GLASS IN THE ICE
今迄には無かったタイプのミディアムナンバー。別離のラヴソングです。
「GLASS」は「ガラス」の意味じゃ無く「鏡」。サビ歌詞にも出て来る「凍り付いた鏡」と言う意味合いです。
「もう二度と戻らない君と過ごした日々が鏡に映って凍り付いている」と言う心情、過去を捨て去れない主人公の心理情景。
「SCRIBBLE MY LOVE」のソロ後サビの歌詞に、別次元から見た角度で少しこの世界に触れています。
メロディは冷たさを表現出来たんじゃないかと自負しています、相反してギターソロは情熱的に出来て。
何か気が付いたらこの曲のサビメロが頭の中で鳴ってるんだよねー。佳作だと思います。
------------------------------------------------------------------
6.DDDDDDDDDDDDD
1st収録の「DEATH ELEMENT」の続編曲。初グロウルヴォイス収録となりました。
正式な曲の呼び方は「ディディディディディディディディディディディディディ」。
でもそんなの呼んでられないので、「ディ・サーティン」とメンバー内で呼んでます。
ギターを弾きたく無い曲(笑)。ギターのバッキングがもうホント大変過ぎて・・・・。
TAKASHIに幾つか数曲デモを聞かせて貰ってピンと来たので仕上げて貰いました、歌う事を考えられてないメロディw
DEATH ELEMENT続編曲と言う事で歌詞もかなりグロく。「左心室」と言うワードも入ってます。視界一面に臓器が敷き詰められた世界でたった1人真っ暗な空の下、自分の身が腐敗してるにも関わらず世界の終幕を何処か他人事で観ている主人公。
Aメロの歌詞は「と或る法則」に従って創ったオリジナルの言語です。イーラ語?と言う事にしておきましょう。
呪文っぽくしたかったと言う発端です。
「D」を頭文字に叫んでる所はライヴでも皆に叫んで欲しいなー。
美しさと暴虐さが組合わさる退廃的なゴシックナンバーになったと思います。リズムも複雑なんですが慣れて来ると気持ち良いかとw 歌もメチャクチャ大変ですが、結構気持ち良く歌えると自分では思ってて(TAKASHIは「I-LAに合ってる」と言ってます)。
臓器まみれのMV撮りたいなー。
------------------------------------------------------------------
7.LUST FANG
「HIGH DREAMER」の流れを組むSKYWINGSお得意のメロスピナンバー。この曲は去年の「INVISIBLE NIGHT」でも披露した曲。本当は別の曲を書いていたんだけど、突然これが出て来て1時間位で書き上げれた曲。全部がツルっと生まれてきました。
もう徹頭徹尾のメロスピナンバーですね、こういうのすっごい得意w 一杯こういう曲まだまだ待機してますよ。
歌詞はちょっと「SCRIBBLE MY LOVE」の世界観と重なる所があって「虫」と言うワードが出てきます。
メンバーもこういうタイプはお茶の子さいさいなのか楽しそうに演奏してます、歌ってる人は必死ですが(苦笑)。
------------------------------------------------------------------
8.NIGHT WHEN METEOR RAIN FELL
澄んだ青空からほとばしる光が降り立つ美旋律。それがこの曲。
TAKASHI作曲です。実はこの曲に至る迄に彼が書いて来た曲が別にありました。メロディは素晴らしかったのです、ですがそれに対して俺は辛辣にボツにしました。そして上がって来たこの曲は素晴らしいモノになりました。
「METEOR」って言う単語を使っているからてっきり隕石とかと勘違いされちゃうかも知れないけど、「流星」を意味しています。「流星の雨が降り注いだ夜」と言う和訳です。
世界観としてSKY ANTHEM曲の始りに当たるポジション。実に大事な曲となりました。
天使が降り立つ「木々」。その木々の誕生と切っ掛けを思春期っぽい雰囲気で書きました。良い歌詞書けたと褒めて欲しい(笑)。
SKYWINGSの歌詞の時系列とか何時か纏めて書きたいなーとは思っています。
歌の個人練習の時にこの曲で始める事が多いです、入りやすいと言うか・・・。まさに「SKYWINGS」ではないか、と。
------------------------------------------------------------------
9.[NEVER]land⇔[EVER]land
「say[GOOD] bye⇔say[GOD]bye」の流れを組むVロック系ナンバー、メロディはこっちの方がメロウかな。
5分少しの中で色んな展開が詰まっている曲です。メロがEメロ迄あって転調も2回あって。
ベース動きまくりでブンブン鳴ってます。最初SENOH君は譜面観た時、固まっておりました(笑)。
ギターは初めてのチャレンジで全編コードストロークのみで構成してます。
歌詞は、図式的な表現と言いますか、重なってる世界観は「say[GOOD] bye⇔say[GOD]bye」だけじゃなくて「LUST FANG」もなんですけど、もっとこっちは多次元感覚。初めて書く言い回しとかもあって、聞く度に新たな発見がある曲です、個人的にオキニな曲。
TAKASHIが電気ストーブの金具を弾いた「ポォーン」と言う金属音をサンプリングして使ってるシンセ音があって、それが凄い活きています。何処で使われてるかは多分じっくり聞けば分かると思います。「え、これストーブなの?」ってビックリして貰えれば、本人喜びますw
------------------------------------------------------------------
10.銀~ARGYROS~
ラストを飾る曲。アルバムタイトルトラックシリーズとSKY ANTHEMシリーズの雰囲気を混ぜてストレートにした曲。
メジャーキーなんだけど何処か悲しいって言う。
本当はこの曲が1曲目の予定でした。でも「VICE VERSA~光纏いし者達~」が出来上がって来た結果、この曲はフィナーレを飾る曲となりました。SKYWINGSらしいメロスピナンバーだけど、何げに新機軸だと思ってます。
初日本語のタイトル曲となりました。副題の「ARGYROS」はギリシャ語で銀色の事。
SKYWINGSのイメージカラーって何だろーなってずっと考えてて。インスピレーションで「銀色かな」と思いまして。
白と黒を良く言われるのでそれを混ぜて灰色からの流れにもなったかも知れない。あと、星空のイメージ。
歌詞はアルバムタイトルトラックシリーズとSKY ANTHEMシリーズの世界観の間に居る視点。「ANYMORE」と重なっています。
イントロはピアノとベースバックのバラードで始まるんだけど、最初はそうじゃなかったので良いアレンジになりました。
ラストコーダメロディは2和音2オクターブ合唱で「ANYMORE」同様に様々な曲のタイトルを歌詞に織り交ぜてます。
「UNITE FOREVER」の歌詞で「次へ託すその名はARGYROS」と書いている様に、俺個人にとっても、そして今後のSKYWINGSにとっても大事になる曲だと思っています。
------------------------------------------------------------------
以上が、SKYWINGSが2014年放った「VICE VERSA」の10の物語です。過去曲からの絡まりが多い世界観となりました。
そして収録曲発表時に一曲、収録されない曲のタイトルを敢えて同時に発表した「GLORIA」、これの発表を待っていて下さい。
今メンバーとこの事ついて作業してます。
「二兎を追う者は一兎も得ず」と言うことわざがあります、俺はこのことわざは過去の捨て去られた遺物だと思っています。
俺は「歌」も「ギター」もどちらも「これはイーラにしか表現出来ない」と言うオンリー1の存在を構築して見せます。
では、皆、再度「VICE VERSA」を楽しんで下さい。
イーラ